試作CNC1号機の製作

幻の3mCNC製作から数年...

10年以上も前から自宅でCNCを製作し、オリジナルの物つくりをしたいという想いがあった。当時からオークションで高額な精密部品を買い集め3mの装置を途中まで作り上げた。しかし、進める中でどうしても個人で解決不可能な工作部が有り、諸事情も重なり無念の中止となった。

画像 (構想図) 画像 (製作途中の3mCNC)

中止から何年もしてからだった。某CNC関連SNSで管理人のジェームズ氏が製作を始めたのをきっかけに見ていてどうしても私も作りたくなってしまった。これが私の試作CNC1号機製作の動機です。
コンセプトは精度、美しさ、剛性、バランスではなく手持ちの部材をレゴの様に組み合わせ、とにかくジェームズ氏より早く立ち上げる事という方針で進めた。

試作CNC1号機製作

2019.2.24~

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ます手持ちの材料をかき集めて仮置きして、門型のイメージを決める。材料はLMガイドに嵩上げにプロファイルこそ使用しているが、肉厚の角パイプ支柱や厚いアルミの板など、取り外し品の板なので穴など既に開いている物も有るがかなり贅沢な素材です。ネジ部はTHKのLMガイドアクチュエーターKR46で2本は企業の保守在庫品で未使用品としてヤフオクにて入手した物です。


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Y軸はKR46の高さに合わせる為にLMガイド下にアルミプロファイルを流用。


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X軸は拡張せずとも十分な加工範囲は確保出来るが、将来的に長いLMガイドアクチュエーター(ステージにのせてある物)に変えれば加工範囲を大幅に増やせる様にLMガイド(THKの35番のHSRタイプ)は切断せずに残しておくことにした。ツールチェンジ(ATC)などのスペースとしても利用も出来そうです。


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Z軸はここまで長さはいらないのですが、手持ちの部品の関係でそのまま付けました。コンセプト重視です。こうやって見るとあっという間?ですがこれで3軸動かせる物が出来ました。ここまで開始から13日程です。恐らく自作では最速ではないだろうかと思います。当初の目的は達成です。しかし、段々といろいろ手を入れたくなります。どうせならカッコよくしたい。

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電装系は裏側に綺麗に収納。


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正面から運転ランプが見える様に加工。


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自作ですから遊び心も必要です。門型下に蛍光灯ランプフードの様な物を取付し、内側をシルバーに塗装。


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ステージ面をLEDで照明。


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全体も黒色に統一して塗装。


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スピンドルを500wから800wの水冷モーターに変更。


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門型部の補強。


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ステージ部を6mm鉄板から500×500の19mmに変更。この板だけで37kgも有ります。


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透明カバーの設置


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ゴミの飛散や加工状態を目の前で安全に見れるので便利です。



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本格可動に向けて場所の移動し、19mmの板上に更に20mmアルミ板を設置して面ハネ。


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場所も移動して本格的に物を作ります。


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ガイドを保護するカバーの設置。


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モーターブラケットの製作。


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Z軸部についてアクチュエータ1本のみで支持していましたが、2本LMガイドを追加し大幅強度アップ。

試作機のまとめ

最終的にだいぶ凝ってしまったがそれなりに使える物まで仕上げられた。樹脂、アルミは問題なく遊べるレベルで加工出来ます。重量は100kgは超えていると思う物量ですので、オークション等である中華のアルミフレーム製や、国産の板金で作られたCNC、価格帯で4~50万でアルミ加工まで出来ますというタイプよりは当然能力が有ると思います。実際、本機は厚肉鉄パイプも下記の様に穴あけ加工しています。

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